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赤瓦(あかがわら) |
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赤い色をした瓦を赤瓦と呼んでいる。赤瓦には塩焼瓦と沖縄の赤瓦の二つがある。塩焼瓦は焼成の最終段階で食塩を投入して焼く。沖縄の赤瓦屋根は、平瓦に当たる女瓦の上に丸瓦に相当する男瓦を載せ、その継目を白の漆喰で塗り固めたものである。赤と白のコントラストのある屋根は沖縄的町並みを作り出している。しかし明治22年までは一般の住宅では赤瓦屋根が禁止されていたので、伝統的といっても民家に赤瓦が葺かれるようになったのは比較的新しいことである。沖縄の赤瓦は現在では那覇市北部の西原町や与那原町周辺で製造されている。沖縄の瓦メーカーでは伝統的な赤瓦だけでなくS形瓦も生産されている。これはスパニッシュ瓦をベースにした本土のS形瓦と違って、沖縄の赤瓦の男瓦と女瓦を一体化させたものである。S形瓦はRC住宅などの屋根にも使われている。 |
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足深桟瓦(あしぶかさんがわら) |
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桟瓦は上下左右の重ね合わせ部分からの水漏れを無くすため、左上と右下の角を重なる分だけ切込みを作っている。この切込みがあることが桟瓦の特徴にもなっている。足深桟瓦は切込みの長さを一般のものより長くしたものである。これにより重なりを多くすることができるので、重なり部分からの雨水の逆流をしにくくすることができる。瓦は上の部分を尻、下の部分を頭というが、尻の切込みを2寸にしたものを片二寸、尻と頭の切込みを2寸にしたものを両二寸と呼んでいる。足深桟瓦は深切桟瓦とも呼ばれている。重なり部分が多いので、必要とする瓦の枚数は、一般のものより多くなる。 |
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アスファルトフェルト |
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強靭なルーフィング原紙に、浸透用アスファルトを十分浸透させたもの。防水、防露性が高く屋根の下葺材として広く用いられている。 |
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アスファルトルーフィング |
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アスファルトフェルトの両面に被覆用アスファルトを塗布し、さらに鉱物質粉粒を塗布したもの。被覆用アスファルトにより防湿性、耐候性に優れ、また表面の砂はすべりにくくその上での作業上安全なので屋根下葺材として広く用いられている。 |
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綾筋(あやすじ) |
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御所の重要な建物の棟飾りとして使われている御所鬼に付けられている山形の筋模様のこと。御所瓦は将棋の駒のように五角形をした箱の上に、経の巻と呼ばれる3本または5本の丸型の巴瓦を載せたもので、その箱の胴部分に山形の平行線が付けられているが、これが綾筋である。さらにその下に経の巻の巴文が付けられている。 |
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荒地(あらじ) |
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成型する前の瓦の大きさと厚さに切りそろえられた粘土板を荒地と呼ぶ。荒地を瓦の形に成型したものを素地と呼んでいる。荒地の成型は荒地出し機によって行われる。 |
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荒地出し機(あらじだしき) |
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荒地を成型する機械であるが、最近ではほとんど真空土練機と直結、あるいは一体化されたものになっている。押し出される口金部分を変えることによって、波形断面の大きさや形状を変えることができる。荒地出し機から押し出され出てくる荒地は、波形をした粘土の板といったもので、ピアノ線で所定の長さに切断され、自動成型機に運ばれていく。 |
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淡路瓦(あわじがわら) |
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兵庫県西淡町周辺を産地とする瓦で、愛知県三州、島根県石州とともにわが国の瓦の三大産地となっている。淡路瓦はいぶし瓦が得意で、全国の瓦生産の14%ほどのシェアを持っている。いぶし瓦に限った場合、30%以上のシェアとなっている。 |
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鮟鱇(あんこう) |
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軒樋の落し口と呼び樋が一体となったもので、軒樋と竪樋をつなぐ部分。魚のあんこうの形と似ていることから、あんこうと呼ばれる。 |