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左瓦(ひだりがわら) |
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葺かれている桟瓦を下から見たとき、桟が左にあるのが普通の瓦で、これと左右対称形で桟が右側にある瓦を左瓦という。風雨の向きから普通の瓦が使えない場合に用いる。 |
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引掛桟瓦(ひっかけさんがわら) |
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桟瓦の裏面の尻の部分に突起をつけて瓦がずり落ちないように工夫した瓦で、明治の初め頃に工部省営繕課によって考案されたものである。 |
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引掛葺き(ひっかけぶき) |
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瓦の葺き方は大きくは土葺(つちふき)と引掛葺きとに分けられる。引掛葺きは、屋根下地に瓦桟を瓦の葺足にそろえるような間隔で打ち、これに瓦を引っ掛けて葺くものである。まったく土を使わないから葺きと、瓦の谷の部分に葺土や漆喰を置いて、瓦の谷部分の調整を行うなじみ土葺きとがある。 |
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紐丸瓦(ひもまるがわら) |
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棟の最上部に載せられる瓦で、棟瓦の種類の一つである。棟瓦そのものも冠瓦と呼ぶ場合もあるが、棟瓦のうち比較的平たいものを伏間瓦(ふすまがわら)、丸形や山形になった背の高いものを冠瓦と呼ぶ。このうち丸桟冠瓦の瓦の形状は丸くなっており、単に丸瓦と呼ばれることがある。重なる部分が紐のように丸くなっているものを紐丸瓦という。 |
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火除瓦(ひよけがわら) |
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瓦がわが国に伝来してから約1000年もの間、瓦葺きは寺社建築や城郭建築に限られてきた。武家の威厳を保つため、町人の住まいにはさまざまな規制を行っていた。その一つが瓦葺きの禁止であった。江戸はしばしば大火にみまわれた。頻繁に起こる大火に見かねて、規制をのがれかつ防火を行うため、平瓦だけで屋根を葺くといった方法で対応する商家が現れ始めた。こうした屋根は火除け瓦と呼ばれた。 |
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平瓦(ひらがわら) |
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本瓦葺に使う瓦で、丸瓦の下にくる瓦で、下丸ともいう。昔は引っ掛けがなく土葺きで仕上げていたが、現在では突起がつけられ、引掛葺きで施工される。一般の寺院では幅9寸(270mm)、長さ1尺(300mm)のものが使われているが、大仏殿など流れが長い屋根の場合、集まる水が多いのでもっと幅の広い平瓦が用いられる。 |
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平窯(ひらがま) |
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古代の瓦窯の一種で、登窯が傾斜しているのに対して、平窯は焼成部が平らになっている。焼成部の床に溝を作って炎をこれに沿って導くようにしたもので、間口2.3m、奥行き1.3mほどのものが多い。7世紀頃から使われ始め11世紀頃まで使用された。 |
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平葺(ひらぶき) |
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瓦の葺方の一つで、葺板に立ち上がりを設けず、平面に葺き上げる工法で一文字葺き、ひし葺きなどがある。 |