【リセラ】株式会社木村窯業所

登り窯で瓦作りをしていたころの石州赤瓦の釉薬は、地場で産出する来待石だった。リセラの釉薬は来待石を中心に天然素材だけにこだわり、金属酸化物や顔料は一切使用していない。昔ながらの来待石を基本とした釉薬で石州赤瓦を現代に蘇らせる事を目指した。その彩は、平滑でシャープなデザインと出逢い、独特な「和」の雰囲気を醸し出す。Ｆ形インターロッキング構造というヨーロッパデザインと、伝統的な来待釉薬の組み合わせはまさにジャパニーズモダンというにふさわしい。

デザインは2002年度グッドデザイン賞を受賞した、Ｆ形窯変瓦「エラン」と基本形を共通とした。Ｆ形釉薬瓦「リセラ」は、エランとの差別化を特に意識したものである。釉薬の彩がエランの彩と重ならず、しかもエランのイメージの延長線上にあって釉薬と釉薬瓦の色を実現しようとした。その彩が伝統的な石州赤瓦の新しい表現の色になることを願う。

デザイナー：タイヒクレイバー

機能性と研ぎ澄まされたシンプルなデザイン。バウハウスのデザインセンスを現代に伝えるドイツの瓦屋根デザイナー。本来の機能性を損なわず、極限までそぎ落としたエッジシェイプはプロダクトデザインの本質と意義を垣間見ることができる。

下の瓦の上部のフック状突起①が、上の瓦のアンダーラップ受け部②と噛み合って、外れない構造を形成します。
葺き進む度に強度が増してゆく構造です。

オーバーラップ①が、隣の瓦のアンダーラップ②に被さる。②のアンダーラップは、、①のオーバーラップに噛み込まれ、容易に外れなくなる構造です。
※構造を説明するために、瓦に特別な色を付けてあります。

アンダーラップは｢インターロッキング構造｣の他、その高さを利用し逆水を防止する効果があります。

空気層ができることによって、野地板との密着が無く結露しにくい構造で、構造物を傷める心配がありません。また、夏場の屋根裏への熱の侵入や冬場の冷気の侵入をやわらげる効果があり、省エネに貢献します。

■F形防災瓦“リセラ”

寸法	全長355mm　全幅345mm
働き寸法	長さ	280mm
	幅	305（±2）mm
葺き枚数	11.5枚/㎡・ 40枚/坪
重量	3.95kg/1枚・ 45.5kg/㎡・ 158kg/坪